介護職員初任者研修カリキュラム

  1 職務の理解(6時間)

○到達目標・評価の基準

研修に先立ち、これから介護が目指すべき、その人の生活を支える「在宅におけるケア」等の実践について、介護職がどのような環境で、どのような形で、どのような仕事を行うのか、具体的なイメージを持って実感し、以降の研修に実践的に取り組めるようになる。

項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①多様なサービスの理解2時間【講義】
・介護職が働くサービス現場にどのようなものがあるか、介護保険サービス(居宅・施設)とそれ以外(障害者(児)サービス等)について理解する。
②介護職の仕事内容や働く現場の理解4時間【講義】
・多様な居宅、施設サービス現場におけるそれぞれの仕事内容を理解する。講師による講義のほか、様々な働く現場について視聴覚教材を活用して理解を深める。
・ケアプランに始まるサービス提供にいたるまでの一連の流れ、チームアプローチ、他職種との連携、地域社会資源との連携等、介護サービスの提供についてイメージを持たせる。
【演習】
自分(研修生)自身の生活状況を振り返り、自分が要介護状態になったとき、生活状況のどの部分に介護が必要になるかを書き出し、考える。
合計6時間

 

 

 

  2 介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)

○到達目標・評価の基準

介護職が、利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し、自立支援、介護予防という介護・福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけない行動例を理解している。

・介護の目標や展開について、尊厳の保持、QOL、ノーマライゼーション、自立支援の考え方を取り入れて概説できる。

・虐待の定義、身体拘束、およびサービス利用者の尊厳、プライバシーを傷つける介護についての基本的なポイントを列挙できる。

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①人権と尊厳を支える介護7時間0時間7時間<添削課題ポイント>
(1)人権と尊厳の保持
・個人として尊重
・アドボカシー
・エンパワメントの視点
・自立支援
・尊厳ある暮らし
・利用者のプライバシーの保護
(2)ICF
・介護分野におけるICF
(3)QOL
・QOLの考え方
・生活の質
(4)ノーマライゼーション
・ノーマライゼーションの考え方
(5)虐待防止・身体拘束禁止
・身体拘束禁止
・高齢者虐待防止法
(6)個人の権利を守る制度の概要
・個人情報保護法
・成年後見制度
②自立に向けた介護2時間2時間0時間【講義】
講師が複数の事例を示し、テキストの以下の内容の理解を深める。
・自立・自立支援
・残存能力の活用
・動機と欲求
・意欲を高める支援
・個別性/個別ケア
・重度化防止
・介護予防の考え方
【演習】
関連テーマでのグループワークを行い、講師が講評する。
合計9時間2時間7時間

 

 

 

  3 介護の基本(6時間)

○到達目標・評価の基準

介護職に求められる専門性と職業倫理の必要性に気づき、職務におけるリスクとその対応策のうち重要なものを理解している。

介護を必要としている人の個別性を理解し、その人の生活を支えるという視点から支援を捉えることができる。

・介護の目指す基本的なものは何かを概説でき、家族による介護と専門職による介護の違い、介護の専門性について列挙できる。

・介護職として共通の基本的な役割とサービスごとの特性、医療・看護との連携の必要性について列挙できる。

・介護職の職業倫理の重要性を理解し、介護職が利用者や家族等と関わる際の留意点について、ポイントを列挙できる。

・生活支援の場で出会う典型的な事故や感染、介護における主要なリスクを列挙できる。

・介護職におこりやすい健康被害や受けやすいストレス、またそれらに対する健康管理、ストレスマネジメントのあり方、留意点等を列挙できる。

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①介護職の役割、専門性と他職種との連携1.5時間1.5時間0時間【講義】
可能な限り具体例を示す等の工夫を行い、介護職に求められる専門性に対する以下の内容の理解を促す
・訪問介護と施設介護サービスの違い
・地域包括ケアの方向性
・重度化防止・遅延化の視点
・利用者主体の支援姿勢
・自立した生活を支えるための援助
・根拠のある介護
・チームケアの重要性
・事業所内のチーム
・多職種から成るチーム
・異なる専門性を持つ他職種の理解
・介護支援専門員
・サービス提供責任者
・看護師等とチームとなり利用者を支える意味
・互いの専門職の能力を活用した効果的なサービスの提供
・チームケアにおける役割分担
【演習】
・介護に携わる職種と主な業務内容を、グループで出し合う。
・チームケアを機能させるために、現場で具体的に必要なことは何かのアイデアをグループで出し合う。
②介護職の職業倫理1.5時間1.5時間0時間【講義】
可能な限り具体例を示す等の工夫を行い、介護職に求められる専門性に対する以下の内容の理解を促す
・専門職の倫理の意義
・介護の倫理(介護福祉士の倫理と介護福祉士制度等)
・介護職としての社会的責任
・プライバシーの保護・尊重
③介護における安全確保とリスクマネジメント1.5時間0時間1.5時間<添削課題ポイント>
(1)介護における安全の確保
・事故に結びつく要因を探り対応していく技術
・リスクとハザード
(2)事故予防、安全対策
・リスクマネジメント
・分析の手法と視点
・事故に至った経緯の報告
・情報の共有
(3)感染対策
・感染の原因と経路(感染源の遮断、排除)
・「感染」に対する正しい知識
④介護職の安全1.5時間0時間1.5時間<添削課題ポイント>
介護職の心身の健康管理
・介護職の健康管理が介護の質に影響すること
・ストレスマネジメント
・腰痛の予防に関する知識
・手洗い、うがいの励行
・手洗いの基本
・感染症対策
合計6時間3時間3時間

 

 

 

  4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携(9時間)

○到達目標・評価の基準

介護保険制度や障害者総合支援制度を担う一員として最低限知っておくべき制度の目的、サービス利用の流れ、各専門職の役割・責務について、その概要のポイントを列挙できる。

・生活全体の支援のなかで介護保険制度の位置づけを理解し、各サービスや地域支援の役割について列挙できる。

・介護保険制度や障害者総合支援制度の理念、介護保険制度の財源構成と保険料負担の大枠について列挙できる。

例:税が財源の半分であること、利用者負担割合

・ケアマネジメントの意義について概説でき、代表的なサービスの種類と内容、利用の流れについて列挙できる。

・高齢障害者の生活を支えるための基本的な考え方を理解し、代表的な障害者福祉サービス、権利擁護や成年後見の制度の目的、内容について列挙できる。

・医行為の考え方、一定の要件のもとに介護福祉士等が行う医行為などについて列挙できる。

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①介護保険制度2時間2時間0時間【講義】
介護保険制度に関する以下の事項の理解の徹底を図る
・ケアマネジメント
・予防重視型システムへの転換
・地域包括支援センターの設置
・地域包括ケアシステムの推進
・保険制度としての基本的仕組み
・介護給付と種類
・予防給付
・要介護認定の手順
・財政負担
・指定介護サービス事業者の指定
【演習】
 テキストの事例を読み、グループ内で意見を出し合い、ケアプランを作成する。
②医療との連携とリハビリテーション3.5時間0時間3.5時間<添削課題ポイント>
・医行為と介護
・訪問看護
・施設における看護と介護の役割・連携
・リハビリテーションの理念
③障害者総合支援制度および
その他制度
3.5時間0時間3.5時間<添削課題ポイント>
(1)障害者福祉制度の理念
・障害の概念
・ICF(国際生活機能分類)
(2)障害者総合支援制度の仕組みの基礎的理解
・介護給付、訓練等給付の申請から支給決定まで
(3)個人の権利を守る制度の概要
・成年後見制度
・日常生活自立支援事業
合計9
時間
2
時間
7
時間

 

 

 

 

  5 介護におけるコミュニケーション技術(6時間)

○到達目標・評価の基準

高齢者や障害者のコミュニケーション能力は一人ひとり異なることと、その違いを認識してコミュニケーションを取ることが専門職に求められていることを認識し、初任者として最低限取るべき(取るべきでない)行動例を理解している。

・共感、受容、傾聴的態度、気づきなど、基本的なコミュニケーションのポイントについて列挙できる。

・家族が抱きやすい心理や葛藤の存在と介護における相談援助技術の重要性を理解し、介護職として持つべき視点を列挙できる。

・言語、視覚、聴覚障害者とのコミュニケーション上の留意点を列挙できる。

・記録の機能と重要性に気づき、主要なポイントを列挙できる。

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①介護におけるコミュニケーション3.5時間3.5時間0時間【講義】
利用者の心理や利用者との人間関係を著しく傷つけるコミュニケーションとその理由について考えさせ、相手の心身機能に合わせた配慮が必要であることへの気づきを促す。テキストの以下の内容の該当部分を確認しながら進める。
・相手のコミュニケーション能力に対する理解や配慮
・傾聴
・共感の応答
・言語的コミュニケーションの特徴
・非言語コミュニケーションの特徴
・利用者の思いを把握する
・意欲低下の要因を考える
・利用者の感情に共感する
・家族の心理的理解
・家族へのいたわりと励まし
・信頼関係の形成
・自分の価値観で家族の意向を判断し非難することがないようにする。
・アセスメントの手法とニーズとデマンドの違い
・視力、聴力の障害に応じたコミュニケーション技術
・失語症に応じたコミュニケーション技術
・構音障害に応じたコミュニケーション技術
・認知症に応じたコミュニケーション技術
【演習】
・傾聴トレーニング
・バーバルコミュニケーション、ノンバーバルコミュニケーション(グループワーク)
・視力、聴力の障害に応じたコミュニケーション(グループワーク)
・コニュニケーションボード
(グループワーク)
②介護におけるチームのコミュニケーション2.5時間0時間2.5時間<添削課題ポイント>
(1)記録における情報の共有化
・介護における記録の意義/目的、利用者の状態を踏まえた観察と記録
・ヒヤリハット報告書
・5W1H
(2)報告
・報告の留意点
(3)コミュニケーションを促す環境
・情報共有の場
合計6時間3.5時間2.5時間

 

 

 

 

  6 老化の理解(6時間)

○到達目標・評価の基準

加齢・老化に伴う心身の変化や疾病について、生理的な側面から理解することの重要性に気づき、自らが継続的に学習すべき事項を理解している。

・加齢/老化に伴う生理的な変化や心身の変化・特徴、社会面、身体面、精神面、知的能力面などの変化に着目した心理的特徴について列挙できる。

例:退職による社会的立場の喪失感、運動機能の低下による無力感や羞恥心、感覚機能の低下によるストレスや疎外感、知的機能の低下による意欲の低下等

・高齢者に多い疾病の種類と、その症状や特徴及び治療・生活上の留意点、及び高齢者の疾病による症状や訴えについて列挙できる。

例:脳梗塞の場合、突発的に症状が起こり、急速に意識障害、片麻痺、半側感覚障害等を生じる等

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①老化に伴うこころとからだの変化と日常3.5
時間
3.5
時間
0
時間
【講義】
高齢者に多い心身の変化、疾病の症状等について具体例を挙げ、その対応における留意点を説明し、介護において生理的側面の知識を身につけることの必要性への気づきを促す。
テキストの以下の内容の該当部分を確認しながら進める。
・防衛反応(反射)の変化
・喪失体験
・身体的機能の変化と日常生活への影響
・咀嚼機能の低下
・筋・骨・関節の変化
・体温維持機能の変化
・精神的機能の変化と日常生活への影響
【演習】
 高齢者の歩き方を模倣してみる。
②高齢者と健康2.5
時間
0
時間
2.5
時間
<添削課題ポイント>
(1)高齢者の疾病と生活上の留意点
・骨折
・筋力の低下と動き・姿勢の変化
・関節痛
(2)高齢者に多い病気とその日常生活上の留意点
・循環器障害(脳梗塞、脳出血、虚血性心疾患)
・老年期うつ病症状(強い不安感、焦燥感を背景に、「訴え」の多さが全面に出る、うつ病性仮性認知症)
・誤嚥性肺炎
合計6
時間
3.5
時間
2.5時間

 

 

 

 

  7 認知症の理解(6時間)

○到達目標・評価の基準

介護において認知症を理解することの必要性に気づき、認知症の利用者を介護する時の判断の基準となる原則を理解している。

・認知症ケアの理念や利用者中心というケアの考え方について概説できる。

・健康な高齢者の「物忘れ」と認知症による記憶障害の違いについて列挙できる。

・認知症の中核症状と行動・心理症状(BPSD)等の基本的特性、およびそれに影響する要因を列挙できる。

・認知症の心理・行動のポイント、認知症の利用者への対応、コミュニケーションのとり方、および介護の原則について列挙できる。また、同様に、若年性認知症の特徴についても列挙できる

・認知症の利用者の健康管理の重要性と留意点、廃用症候群予防について概説できる。

・認知症の利用者の生活環境の意義やそのあり方について、主要なキーワードを列挙できる。

例:生活習慣や生活様式の継続、なじみの人間関係やなじみの空間、プライバシーの確保と団らんの場の確保等、地域を含めて生活環境とすること。

・認知症の利用者とのコミュニケーション(言語、非言語)の原則、ポイントについて理解でき、具体的な関わり方(良い関わり方、悪い関わり方)を概説できる。

・家族の気持ちや、家族の受けやすいストレスについて列挙できる。

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①認知症を取り巻く状況1.5時間0時間1.5時間<添削課題ポイント>
認知症ケアの理念
・パーソンセンタードケア
・認知症ケアの視点
(できることに着目する)
②医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理1.5時間0時間1.5時間<添削課題ポイント>
認知症の概念、認知症の原因疾患とその病態、原因疾患別ケアのポイント、健康管理
・もの忘れとの違い
・せん妄の症状
・健康管理
③認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活1.5時間1.5時間0時間【講義】
認知症の利用者の心理・行動の実際を示す等により、認知症の利用者の心理・行動を実感できるように工夫し、介護において認知症を理解することの必要性への気づきを促す。
複数の具体的なケースを示し、認知症の利用者の介護における原則についての理解を促す。
・認知症の中核症状
・認知症の行動・心理症状(BPSD)
・不適切なケア
・生活環境で改善
・本人の気持ちを推察する
・プライドを傷つけない
・相手の世界に合わせる
・失敗しないような状況をつくる
・すべての援助行為がコミュニケーションであると考えること
・身体を通したコミュニケーション
・相手の様子・表情・視線・姿勢などから気落ちを洞察する
・認知症の進行に合わせたケア
【演習】
 グループワークとして、研修生自身が現在持っている認知症の方へのイメージ、認知症介護のイメージについて話し合う。
④家族への支援1.5時間1.5時間0時間【講義】
複数の事例を用いて、家族支援と介護の受容過程の理解を促す
・障害の理解
・障害の受容支援
・介護負担の軽減
合計6
時間
3
時間
3
時間

 

 

 

 

  8 障害の理解(3時間)

○到達目標・評価の基準

障害の概念とICF、障害者福祉の基本的な考え方について理解し、介護における基本的な考え方について理解している。

・障害の概念とICFについて概説でき、各障害の内容・特徴及び障害に応じた社会支援の考え方について列挙できる。

・障害の受容のプロセスと基本的な介護の考え方について列挙できる

項目名時間数通学
時間数
通信
時間数
講義内容及び演習の実施方法
   通信課題の概要
①障害の基礎的理解0.5時間0時間0.5時間<添削課題ポイント>
(1)障害の概念とICF
・ICFの概念
(2)障害者福祉の基本理念
・ノーマライゼーションの概念
②障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識1時間0時間1時間<添削課題ポイント>
(1)身体障害
(2)知的障害
(3)精神障害(高次脳機能障害・発達障
(4)その他の心身の機能障害
・失認
・遂行機能
・遂行機能障害
・遂行機能障害のリハビリテーション
③家族の心理、かかわり支援の理解1.5時間1.5時間0時間【講義】
テキストの該当部分の確認
・障害の理解・障害の受容支援
・介護負担の軽減
【演習】
グループワーク
・障害者の家族の困りごと等について
合計3時間1.5時間1.5時間

 

 

 

 

  9 こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)

○到達目標・評価の基準

・介護技術の根拠となる人体の構造や機能に関する知識を習得し、安全な介護サービスの提供方法等を理解し、基礎的な一部または全介助等の介護が実施できる。

・尊厳を保持し、その人の自立及び自律を尊重し、持てる力を発揮してもらいながらその人の在宅・地域等での生活を支える介護技術や知識を習得する。

・主だった状態像の高齢者の生活の様子をイメージでき、要介護度等に応じた在宅・施設等それぞれの場面における高齢者の生活について列挙できる。

・要介護度や健康状態の変化に沿った基本的な介護技術の原則(方法、留意点、その根拠等)について概説でき、生活の中の介護予防、および介護予防プログラムによる機能低下の予防の考え方や方法を列挙できる。

・利用者の身体の状況に合わせた介護、環境整備についてポイントを列挙できる。

・人の記憶の構造や意欲等を支援と結びつけて概説できる。

・人体の構造や機能が列挙でき、何故行動が起こるのかを概説できる。

・家事援助の機能と基本原則について列挙できる。

・装うことや整容の意義について概説でき、指示や根拠に基づいて部分的な介護を行うことができる。

・体位変換と移動・移乗の意味と関連する用具・機器やさまざまな車いす、杖などの基本的使用方法を概説でき、体位変換と移動・移乗に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。

・食事の意味と食事を取り巻く環境整備の方法が列挙でき、食事に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。

・入浴や清潔の意味と入浴を取り巻く環境整備や入浴に関連した用具を列挙でき、入浴に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。

・排泄の意味と排泄を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、排泄に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。

・睡眠の意味と睡眠を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、睡眠に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。

・ターミナルケアの考え方、対応の仕方・留意点、本人・家族への説明と了解、介護職の役割や他の職種との連携(ボランティアを含む)について、列挙できる。

Ⅰ基本知識の学習項目名時間数通学時間数通信時間数 講義内容及び演習の実施方法 
通信課題の概要
①介護の基本的な考え方3時間0時間3時間<添削課題ポイント>
・理論に基づく介護(ICFの視点に基づく生活支援、我流介護の排除)
・法的根拠に基づく介護
②介護に関するこころのしくみの基礎的理解4時間0時間4時間<添削課題ポイント>
・学習と記憶の基礎知識
・感情と意欲の基礎知識
・自己概念と生きがい
・老化や障害を受け入れる適応行動とその阻害要因
・こころの持ち方が行動に与える影響
・からだの状態がこころに与える影響
4時間0時間4時間<添削課題ポイント>
・人体の各部の名称と動きに関する基礎的知識
・骨・関節・筋に関する基礎知識、ボディメカニクスの活用
・中枢神経系と体性神経に関する基礎知識
・自律神経と内部器官に関する基礎知識
・こころとからだを一体的に捉える
・利用者の様子の普段との違いに気づく視点
Ⅱ生活支援技術の講義・演習項目名時間数通学
時間数
通信時間数 講義内容及び演習の実施方法 
通信課題の概要
④生活と家事6時間6時間0時間【講義】
サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供し、かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
・家事と生活の理解、家事援助に関する基礎的知識と生活支援
・生活歴
・自立支援
・予防的な対応
・主体性・能動性を引き出す
・多様な生活習慣
・価値観
⑤快適な居住環境整備と介護6時間6時間0時間【講義】
補助資料(介護用品カタログ等)を活用し、テキストの該当部分の理解を深める。
快適な居住環境に関する基礎知識、高齢者・障害者特有の居住環境整備と福祉用具に関する留意点と支援方法
・家庭内に多い事故
・バリアフリー
・住宅改修
・福祉用具貸与
⑥整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間6時間0時間【講義】
サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供し、かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
整容に関する基礎知識、整容の支援技術
・身体状況にあわせた衣服の選択、着脱
・身支度
・整容行動
・洗面の意義,効果
【演習】
・衣服着脱の介護
(端座位での一部介助、仰臥位での全介助)
・爪きり
⑦移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間6時間0時間【講義】
サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供し、かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
移動・移乗に関する基礎知識、様々な移動・移乗に関する用具とその活用方法、利用者、介助者にとって負担の少ない移動・移乗を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法、移動と社会参加の留意点と支援
・利用者と介護者の双方が安全で安楽な方法
・利用者の自然な動きの活用
・残存能力の活用・自立支援
・重心・重力の働きの理解
・ボディメカニクスの基本原理
・移乗介助の具体的な方法(車いすへの移乗の具体的な方法、全面介助でのベッド・車いす間の移乗、全面介助での車いす・洋式トイレ間の移乗)、
・移動介助(車いす・歩行器・つえ等)
・褥瘡予防
【演習】
・車いすとベッド、いすを使った移動・移乗動作全般を行う
・三角巾の扱い方
⑧食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間6時間0時間【講義】
「食事の介護技術」は「食事という生活の支援」と捉え、その生活を支える技術の根拠を身近に理解できるように促す。さらに、その利用者が満足する食事が提供したいと思う意欲を引き出す。
食事に関する基礎知識、食事環境の整備・食事に関連した用具・食器の活用方法と食事形態とからだのしくみ、楽しい食事を阻害するこころとからのだの要因の理解と支援方法、食事と社会参加の留意点と支援
・食事をする意味
・食事のケアに対する介護者の意識
・低栄養の弊害
・脱水の弊害
・食事と姿勢
・咀嚼・嚥下のメカニズム
・空腹感、満腹感
・好み
・食事の環境整備(時間・場所等)
・食事に関した福祉用具の活用と介助方法
・口腔ケアの定義
・誤嚥性肺炎の予防
【演習】
・食事動作に伴う正しい姿勢保持
(1)移乗時の背抜き
(2)前かがみ姿勢
(3)食事中の姿勢直し
・とろみ剤を使った食事介護
(片麻痺、視覚障害がある場合等)
・異物除去の方法
⑨入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間6時間0時間【講義】
サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供し、かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
入浴、清潔保持に関連した基礎知識、様々な入浴用具と整容用具の活用方法、楽しい入浴を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
・羞恥心や遠慮への配慮
・体調の確認
・全身清拭(身体状況の確認、室内環境の調整、使用物品の準備と使用方法、全身の拭き方、身体の支え方)
・目・鼻腔・耳・爪の清潔方法
・陰部洗浄(臥床状態での方法)
・足浴・手浴・洗髪
【演習】
・清拭タオルをつくり、部分清拭
・足浴・手浴
・ケリーパット製作
・タッピング
⑩排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間6時間0時間【講義】
サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供し、かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
排泄に関する基礎知識、様々な排泄環境整備と排泄用具の活用方法、爽快な排泄を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
・排泄とは
・身体面(生理面)での意味
・心理面での意味
・社会的な意味
・プライド・羞恥心
・プライバシーの確保
・おむつは最後の手段/おむつ使用の弊害
・排泄障害が日常生活上に及ぼす影響
・排泄ケアを受けることで生じる心理的な負担・尊厳や生きる意欲との関連
・一部介助を要する利用者のトイレ介助の具体的方法
・便秘の予防(水分の摂取量保持、食事内容の工夫/繊維質の食物を多く取り入れる、腹部マッサージ)
【演習】
・排泄介助の模擬演習
⑪睡眠に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護5.5時間5.5時間0時間【講義】
睡眠に関する基礎知識、さまざまな睡眠環境と用具の活用方法、快い睡眠を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
・安眠のための介護の工夫
・環境の整備(温度や湿度、光、音、よく眠るための寝室)
・安楽な姿勢・褥瘡予防
【演習】
・安楽な体位
・体位変換法・褥瘡予防
・ベッドメーキング
5.5時間5.5時間0時間講義】
複数の事例を紹介し、「死」に向かう生の充実と尊厳ある死について考えることができるように、気づきを促す。
終末期に関する基礎知識とこころとからだのしくみ、生から死への過程、「死」に向きあうこころの理解、苦痛の少ない死への支援
・終末期ケアとは
・高齢者の死に至る過程(高齢者の自然死(老衰)、癌死)
・臨終が近づいたときの兆候と介護
・介護従事者の基本的態度
・多職種間の情報共有の必要性
【演習】
・グループワーク
(あなたが望む「最期の在り方」について)
Ⅲ生活支援技術演習⑬介護過程の基礎的理解5.5時間【講義】
複数の事例紹介、他社のテキストも同時に参照しながら介護過程の流れを理解させる。
・介護過程の目的・意義・展開
・介護過程とチームアプローチ
⑭総合生活支援技術演習5.5時間【演習】
(事例による展開)
生活の各場面での介護について、ある状態像の利用者を想定し、一連の生活支援を提供する流れの理解と技術の修得、利用者の心身の状況にあわせた介護を提供する視点の修得を目指す。
・事例の提示→こころとからだの力が発揮できない要因の分析→適切な支援技術の検討→支援技術演習→支援技術の課題(1事例1.5時間程度で上のサイクルを実施する)
・事例は高齢(要支援2程度、認知症、片麻痺、座位保持不可)から2事例を選択して実施
※本科目の⑥から⑪の内容においても、「⑭総合生活支援技術演習」で選択する高齢の2事例と同じ事例を共通して用い、その支援技術を適用する考え方の理解と技術の習得を促す。
※本科目の⑥から⑪の内容における各技術の演習及び「⑭総合生活支援技術演習」においては、一連の演習を通して受講者の技術度合の評価(介護技術を適用する各手順のチェックリスト形式による確認等)を行う。
合計75時間

 

 

 

 

  10 振り返り(4時間)

○到達目標・評価の基準

研修全体を振り返り、本研修を通じて学んだことについて再確認を行うとともに、就業後も継続して学習・研鑽する姿勢の形成、学習課題の認識をはかる。

項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①振り返り2.5時間【講義】【演習】
・在宅、施設の何れかの場合であっても、「利用者の生活の拠点に共に居る」という意識を持って、その状態における模擬演習(身だしなみ、言葉遣い、応対の態度等の礼節を含む。)を行い、業務における基本的態度の視点を持って介護を行えるよう理解を促す。
・研修を通じて学んだこと、今後継続して学ぶべきことを演習等で受講者自身に表出・言語化させたうえで、利用者の生活を支援する根拠に基づく介護の要点について講義等により再確認を促す。
②就業への備えと研修修了後における継続的な研修1.5時間講義】
・修了後も継続的に学習することを前提に、介護職が身につけるべき知識や技術の体系を再掲するなどして、受講者一人ひとりが今後何を継続的に学習すべきか理解できるように促す。
・最新知識の付与と、次のステップ(職場環境への早期適応等)へ向けての課題を受講者が認識できるように促す。
・介護職の仕事内容や働く職場、事業者等における研修の実例等について、具体的なイメージを持たせるような視聴覚教材等を活用する。
合計4時間

 

 

 

 

   講師情報

氏名担当科目(項目)資格名専兼別備考
柴田ひとみ「1.職務の理解」 
「2②.自立に向けた介護」 
「3①.介護職の役割、専門性と他職種との連携」 
「3②.介護職の職業倫理」 
「4①.介護保険制度」 
「5①.介護におけるコミュニケーション」 
「6①.老化に伴うこころとからだの変化と日常」 
「7③.認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活」 
「7④.家族への支援」
「8③.家族の心理、かかわり支援の理解」 
「9④.生活と家事」
「9⑤.快適な居住環境整備と介護」  
「9⑥.整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑦.移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑧.食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑨.入浴・清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑩.排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑪.睡眠に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑫.死にゆく人に関連したこころとからだのしくみと終末期介護」 
「9⑬.介護過程の基礎的理解」 
「9⑭.総合生活支援技術演習」 
「10.振り返り」
ホームヘルパー1級面接指導者
「3③.介護における安全確保とリスクマネジメント」
「3④.介護職の安全」
「7①.認知症を取り巻く状況」
添削責任者
氏名担当科目(項目)資格名専兼別備考
和田 直樹「2①.人権と尊厳を支える介護」
「4③.障害者総合支援制度およびその他制度」
「5②.介護におけるチームのコミュニケーション」
「9①.介護の基本的な考え方」
「9②.介護に関するこころのしくみの基礎的理解」
「9③.介護に関するからだのしくみの基礎的理解」
介護福祉士
社会福祉士
介護支援専門員
添削責任者
氏名担当科目(項目)資格名専兼別備考
濱松 千秋「4②.医療との連携とリハビリテーション」
「6②.高齢者と健康」
「7②.医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理」
「8①.障害の基礎的理解」
「8②.障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識」
医師添削責任者
氏名担当科目(項目)資格名
二瓶真由美「1.職務の理解」 
「2②.自立に向けた介護」 
「3①.介護職の役割、専門性と他職種との連携」 
「3②.介護職の職業倫理」 
「4①.介護保険制度」 
「5①.介護におけるコミュニケーション」 
「6①.老化に伴うこころとからだの変化と日常」 
「7③.認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活」 
「7④.家族への支援」
「8③.家族の心理、かかわり支援の理解」 
「9④.生活と家事」
「9⑤.快適な居住環境整備と介護」  
「9⑥.整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑦.移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑧.食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑨.入浴・清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑩.排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑪.睡眠に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護」 
「9⑫.死にゆく人に関連したこころとからだのしくみと終末期介護」 
「9⑬.介護過程の基礎的理解」 
「9⑭.総合生活支援技術演習」 
「10.振り返り」
介護福祉士
介護支援専門員
西川美枝子ホームヘルパー1級
池 寿江介護福祉士
三上千鶴子介護福祉士

 

 

 

 

  連絡先等

(1)申し込み・資料請求先

有限会社 アイスマイル

札幌市中央区南10条西10丁目1番20号さくらビル7F

℡ :011-200-9012 fax:011-200-9013

Eメール:kensyu@ismile-s.com

(2)法人の苦情対応者名・役職・連絡先

池 豊 ・取締役 ・連絡先は同上

(3)事業所の苦情対応者名・役職・連絡先

池 豊 ・代表 ・連絡先は同上

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